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Channel: 東京藝術大学美術学部建築科|大学院美術研究科建築専攻 Tokyo University of the Arts Faculty of Fine Arts / Graduate School of Fine Arts Department of Architecture
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Lecture Report |宮本隆司 特別講演

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東京藝術大学美術学部特別講演 宮本隆司「廃墟以前/廃墟以降」 日時:2014年11月10日(月)18時~20時 会場:東京藝術大学上野キャンパス美術学部中央棟第1講義室 1983年、解体直前の「中野刑務所(旧豊多摩監獄)」(設計:後藤慶二)。 1985年、「ベルリンの壁」の東側で解体途中だった「ベルリン大劇場」(設計:ハンス・ペルツィヒ )。 香港の巨大高層スラム「九龍城砦」。1987年から1993年の解体まで断続的に撮影された。 1995年の阪神淡路大震災直後を撮影した『KOBE1995: After the Earthquake』より。ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展の日本館に出展し金獅子賞受賞(コミッショナー:磯崎新)。 広島の「基町高層アパート」(設計:大高正人)と、原爆スラム。 昨夏に行われた「徳之島アートプロジェクト」で屋外展示された「ソテツ」。 「徳之島アートプロジェクト」でつくられた「ピンホール面縄2013」とそのためのピンホールカメラ。 レクチャーは3部構成で、冒頭から、写真家としての主要な仕事「建築の黙示録」「九龍城砦」「KOBE1995: After the Earthquake」などがじっくりと紹介された。その中で「日本には廃墟と言えるものはなかった。広島の原爆ドームが最初の廃墟である。自身では廃墟を撮っているつもりはなく、『写真の中の廃墟』なのかもしれない」という趣旨の言葉があった。 その後、「写真家」になる以前の雑誌時代の仕事(「廃墟以前」と位置づけられた)として、『都市住宅』の特集「都市の地理学」に出た最初の写真や、広島の「基町高層アパート」(設計:大高正人)の写真などが紹介された。一方で、クリアランス以前の原爆スラムに惹かれ撮っていた写真は自身でも初めてスライドのためにスキャンしたそうで、ほとんど初披露であった。「九龍城砦」との共通点として、どちらも計画なしに人間がつくってきた形と言えるが当時はそのような意識はなかったと語られた。 最後は、昨今の仕事(「廃墟以降」と位置づけられた)として、昨夏に両親の出身である鹿児島県徳之島での「徳之島アートプロジェクト」の全容を自らの写真で紹介した。 宮本隆司(Ryuji Miyamoto) [略歴] 1947年東京都世田谷区生まれ 1973年多摩美術大学グラフィックデザイン科卒業 1986年個展「建築の黙示録」 1988年作品集『九龍城砦』『建築の黙示録』を発表 1989年第14回木村伊兵衛写真賞受賞 1995年阪神淡路大震災直後の神戸を撮影 1996年第6回ヴェネツィア・ビエンナーレ建築展に参加し共同展示(金獅子賞受賞) 2004年初の回顧展「宮本隆司写真展‐壊れゆくもの・生まれいずるもの‐」 2005年第55回芸術選奨文部科学大臣賞受賞 2012年紫綬褒章受章

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