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Channel: 東京藝術大学美術学部建築科|大学院美術研究科建築専攻 Tokyo University of the Arts Faculty of Fine Arts / Graduate School of Fine Arts Department of Architecture
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Exhibition |椅子課題成果展《Architechair》

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Exhibition |椅子課題成果展《Architechair》


学部1年生の家具課題で制作された椅子の展覧会が開催されています。

会期:2020年2月14日(金)、17日(月)〜2月20日(木)
会場:東京藝大附属図書館1Fラーニングコモンズ

出展者:石井梨紗、金子太一、喜多川幸奈、木村浩太、工藤思由、工藤森人、栗原啓伍、杉原有香、關田重太郎、長谷果奈、西沢瑶、根本心、福島美絃、南昂希、三輪和誠、山田建毅

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関連して、2/19(水)には、椅子課題公開講評&トークイベントを企画しております。

日時:2020年2月19日(水)18:00〜
場所:総合工房棟4階FM
登壇:中山英之×藤森泰司×林裕輔

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News |会誌「建築士」への連載開始

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News |会誌「建築士」への連載開始

本科建築理論第一研究室の光井渉教授と同研究室の山本瑠以が、日本建築士会連合会の会報誌「建築士」にて連載を開始しました。連載タイトルは「日本の木造軸組高架構を考える」。




News | AAスクール×藝大合同ワークショップ参加者募集

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News | AAスクール×藝大合同ワークショップ参加者募集
(English follows)


AAスクールとの合同WSへの参加者を広く募集します。Diploma Unit 11の学生およびユニットマスター・江頭慎と共に、東京を対象として作業をおこないます。学部生も含めて様々な学年からの参加を期待します。参加を希望する学生は、メール(geidai.archi.teach@gmail.com)に学籍番号・氏名と参加希望の旨を伝えた上で、3月26日(木)10:00に総合工房棟4階のFM(エレベーター前講義室)に集合してください。

以下は Diploma Unit 11、2020年度のBRIEFです:

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Into the Interior

ロンドンは、経済的 / 歴史的価値観という、相反するふたつの価値観に支配されています。一方が消えたり置き換えられたりすれば、もう一方が顔を出し動き出すふたつの価値観です。この不確かな地表を占拠するこれらの力に押し込められているものこそが、DIP11が創造的に応答しようとするものですーネオリベラルな都市変容、という支配的な形式に対抗しうる価値を提案することによる応答です。

私たちは、ロンドンという都市をコラージュのプロジェクト/寄せ集めとしてみています。ロンドン特有の建築や盛況な空間は、しばしば偶然に起こっており、機能不全的な魅力を持つその性格が賞賛されています。そこでDIP11は、コラージュという枠組みの中で、自由を奨励するこの暗黙の規則に取り組んでいきますー不完全さを評価するという我々の能力を、デザインはどのように試すのだろうか?と問いつつ、新旧の間にある曖昧さを探求し、そして急速に変化する都市空間の中にあって遅さと小ささを肯定しながら。

ポストコロニアルな過去に由来する文化的寛容さがロンドンにおいて同時的にゆっくりと衰退していく中で、現代の開発による急激な力に影響される都市での様々な生活を図示し、インナーロンドンのコミュニティを記録します。

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スケジュール

3/26(木)10:00- Introduction+Grouping_イントロダクション・グループ分け (@4th Floor, FM/総合工房棟4階建築科FM)
3/27(金) Fieldwork & Tutorial _フィールドワーク&チュートリアル※
3/28(土) Ditto_同上
3/29(日) Ditto_同上
3/30(月) Ditto_同上
3/31(火) Ditto_同上
4/1(水) Ditto_同上
4/2(木) Ditto_同上
4/3(金) Final Jury※_最終講評@総合工房棟4階※

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In this joint-workshop, by following the brief of AA Dip. 11, we encourage you to demonstrate a way for inventing your own propositional representation of the City.

From AA, 10~12 students will come, and we look for same number from Geidai from not only department of architecture but also that of others. The level of AA students might be around Master 1 & 2 at Geidai, but, including undergraduate students, we encourage all the year students to join this workshop. If you want to join this workshop, please email to the following, with your name & school register number, and come to the 26th (thu) of March at FM (in front of lift) on the 4th floor of Sogo-kobo-to (Factory Complex A).

geidai.archi.teach@gmail.com

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Into the Interior

London is dominated by two opposing sense of values: one financial and the other historical; one erases and replaces, the other uncovers and de-temporalises. That which is squeezed in between these forces occupies the uncertain ground that DIP11 will respond to creatively, proposing values that could counter the dominant patterns of neo-liberal urban transformation.

We see London as a project of collage. Its unique architecture and successful spaces often occur by accident, celebrated as characterisations of its dysfunctional charm. The unit therefore engages with the unspoken rules that encourage freedom within this framework of collaging, questioning how design can challenge our capacity to appreciate imperfection, explore the ambiguities that lie between new and old, and grant importance to slowness and smallness in a fast-changing urban landscape.

The unit will document inner-London communities, charting the various ways of life inside the city that are affected by the rapid forces of contemporary development as the sense of cultural tolerance linked to London’s post-colonial past simultaneously and slowly declines.

Shin Egashira

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指導教員

Shin Egashira (AA Diploma 11 Unit Master)_江頭 慎(AAスクールDiploma 11ユニットマスター(教授))
Tamao Hashimoto (Lecturer at ditto)_橋本 圭央(東京藝術大学非常勤講師)
Junpei Mori (Asst. Professor at Tokyo Univ. of the Arts)_森 純平(東京藝術大学助教)
Wataru Sawada (Research Associate at ditto)_澤田 航(東京藝術大学教育研究助手)
Yushi Sasada (Ultra Studio)_ 笹田 侑志(ウルトラスタジオ)


News |空間実験空間実験研究所×藝大合同ワークショップ COOK参加者募集

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News |空間実験空間実験研究所×藝大合同ワークショップCOOK 参加者募集


かつてベルリン芸術大学内にてオラファー・エリアソンが実施した実験的な教育プログラム『空間実験研究所』との合同クリエイションWSを開催します。

テーマを[COOK]とし、料理をすることをそれぞれの視点から空間に分解し、WSの期間をへて最後にLast Supperとして再構成をします。

空間実験研究所を経て世界を舞台に活躍する3人のアーティストをゲストに招聘し、公募された院生を中心に様々な興味をもった学生の参加を期待します。

参加を希望する学生は、2月末までにメール(geidai.archi.teach@gmail.com)に
学籍番号・氏名・所属・(webサイトなどあれば)参加希望の旨を連絡してください。
会場の関係上、抽選にて参加者をきめさせてもらう場合があります。


ゲスト

Fabian Knecht http://www.fabianknecht.de/
Raul Walch http://www.raulwalch.net/
Yuichiro Tamura http://www.damianoyurkiewich.com/

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日程:3/9(月)- 16(月)
定員:20名程度
会場:日本橋三越前福島ビル9階

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スケジュール

3/9 10:00- イントロダクション@現地 詳細は参加者に連絡します。
3/10 WS/トーク① 
3/11 WS/トーク②
3/12 WS/トーク③
3/13 設営/
3/14 クリエイション/ 19:00 Last Supper
3/15 展示
3/16 撤収

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空間実験研究所とは
https://raumexperimente.net/en/

2009年から2013年までの5年間、オラファー・エリアソンを中心にベルリン芸術大学内にて実施された教育プログラムである。
実際的な活動はすでに終了しているが、活動場所をウェブサイトに移し、いまなお進行形で様々な活動は継続されている。またプログラムの終了後も、ノイエナショナルギャラリー(ベルリン、2015)やハンブルガー・バーンホフ現代美術館(ベルリン、2017)などにて時折、大規模なパフォーマンスイベントを開催するなど、意欲的な活動は世界で注目されている。


NEWS  | w e l c o m e 2 0 2 0

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 新入生の皆さんへ

 本来なら先週土曜日に予定されていた入学式・オリエンテーションの席で皆さんと対面し、今週からは前期授業も始まり、大学生生活がスタートしていたはずでした。
 しかし、新型コロナウィルスの感染拡大を防ぐため、前期の開講を5月11日まで遅らせることとなり、今後の状況次第では遠隔授業などの可能性も高くなっています。不安感に苛まれる日々が続いていますが、もう皆さんは建築を学ぶ大学生です。この一ヶ月の間、課題や講義は中止になりましたが、少しでも有意義な時間を過ごして欲しいと我々は願っています。そこで、教員一人一人から、皆さんに向けて推薦図書を提示することにしました。
 この状況下なので、書店や図書館に足を運ぶのは難しいでしょう。通販などを利用して無理のない範囲で入手して、目を通して欲しいと思います。
 それでは皆さんに会えることを楽しみに待っています。

 東京藝術大学 美術学部 建築科 教員より






藤村龍至 准教授(建築設計第一研究室) の推薦図書

新入生の皆さん、入学おめでとうございます。

建築科の設計課題を始めるにあたり手にとるなら
以下の3冊をお勧めします。
1『眼を養い手を練れ』宮脇檀住宅設計塾
2『ゲンロン0 観光客の哲学』東浩紀
3『これからの日本に都市計画は必要ですか』蓑原敬ほか
1は設計系、2は人文系、3は都市計画・まちづくり系の知識をさらっと学べます。
宮脇檀さんは1954年に東京藝術大学建築科に入学した皆さんの先輩です。

「今読むなら」ということで、私の関心で挙げるなら
以下の3冊をお勧めします。
1は設計系、2は人文系、3は都市計画・まちづくり系でそれぞれ今の建築家の話題を追っていくときに手がかりとなると思われます。ただし、大学院生レベルかもしれません。
1 『アルファベット そして アルゴリズム: 表記法による建築――ルネサンスからデジタル革命へ』 マリオ・カルポ
2『地球に降り立つ』ブルーノ・ラトゥール
3 『エコロジカル・デモクラシー:まちづくりと生態的多様性をつなぐデザイン』ランドルフ・へスター

新入生の皆さんが藝大建築科の先生方の作品や考え方を知るなら
例えば下記の3冊などもお勧めします。
1『フラジャイル・コンセプト』青木淳
2『1/1000000000』中山英之
3『ちのかたち』藤村龍至

お会いできるのを楽しみにしています。



















中山英之 准教授(建築設計第二研究室)の推薦図書

『宇宙船地球号操縦マニュアル』 バックミンスター・フラー
  ひろくて長い視野を持って、世界を眺めてみよう!

『造形思考(上) (下)』 パウル・クレー
  線や形には無限の意味が隠れている!

『名建築と名作椅子の教科書 』 アガタ・トロマノフ
  1年生では、皆さんも椅子を1脚つくりますよ!


















樫村芙実 講師(建築設計第三研究室)の推薦図書

『建築は詩ー建築家・吉村順三の言葉100』
 監修=永橋 爲成 編集=吉村順三展実行委員会|彰国社|2005年

 1年生最初の課題の根底に流れる「吉村順三スピリット」を感じられる一冊です。彼の著作、図面は建築科図書館にたくさんありますので、折を見てめくってみるのが良いと思いますが、この本はその中でもとりわけ易しく、読みやすい本です。早く建築を学びたい!!と飢え急いている新入生の気持ちをやさしく執り成してくれる、率直で具体的な言葉の数々に、頷いたり(あるいは首を傾げたり?)してみてください。

『グレンマーカットの建築』・『シンキングドローイング・ワーキングドローイング』
マリアム・グーシェ、トム・ヘネガン、キャサリン・ラッセン、勢山詔子|写真=アンソニー・ブローウェル|TOTO出版|2008

 マーカットさんはオーストラリアの吉村順三。と私は思っています。場所や素材、寸法は異なりますが、環境への考え方、使われる言葉に多くの共通点を見いだせます。2冊セットで刊行された作品集で、1冊は写真が多め(巻頭の文章「建築を教えるときに大切なこと」は学ぶ方にも響きます)、もう1冊はドローイングが多めです。マーカットさんは模型を一切作らずスケッチや図面のみで設計されます。後者のタイトルが示すように、思考するドローイングとはなんだろう?と考えながら、課題を通して自身の’手’と'思考'とに向き合ってみてください。

『内臓とこころ』三木成夫 |河出文庫|2013

 建築からちょっと離れて、そもそも人間とは何か?を解剖学的に考えてみるための一冊です。私は同じ著者の『胎児の世界』を読み返していますが、人間の記憶や生まれ育つことを自分に重ねてみると、脈打ち温かい生き物として人間を思い至り、そして改めて、では建築には何ができるのか?を考えてみたら面白いと思います。

















青木淳 教授(環境設計第一研究室)の推薦図書

 手に入れやすい、買いやすいという観点から、文庫から3冊を。

『空間の詩学』ガストン バシュラール|ちくま学芸文庫
 
 もともとが難しい内容なのか、訳が悪いのか、わからないけれど、とても読みづらい。ただこの本は、日本で建築なり空間を考える人に、ひとつの大きな影響を与えた本。たとえば、奥野健男『文学における原風景-原っぱ・洞窟の幻想』や多木浩二『生きられた家』など。じつは、ぼくも、この本を(全部ではない、気になったところだけ)何度も、何度も、読んできた。すると、何を言いたいのかつかめないけれど、覚えてしまう。そして、いつのまにか「わかってしまう」。そういう本を、何冊か、持てるといい。相性があるので、あなたにとって、この本がそれに相当するかどうかはわからないけれど。


『猫の客 』平出 隆|河出文庫

 単行本として出たのが2001年。以来、何度となく、読み返すことになる本だった。ひとつひとつを取り出して読むことも可能な、小さな29の章が集まってできている小説だ。そのつくりはさながら、練り上げられた部材が精巧に組み上げ構築された建築のよう。あるいは、小さな流れが合わさり、知らず知らずのうちに、抗うことのできない大河が生まれるようでもある。
 政治思想家であり詩人でもあったマキアヴェッリは、「運命フォルトゥーナ」を、川のそんな流れとして見ていた。そんな逸話が、この小説のなかで紹介されるのだが、実際、それこそがこの本の主題だろう。
 隣家の猫の、日ごとの出入りという小川。四季がめぐる家という空間の小川。東京という都市の日常という小川。もちろん、そこに生きる人間の日々の生活の小川。逝く人を看取る小川もある。それらが、いつしか「難を逃れるか逃れないか、という境の波」にまで育ってしまっている。
 本のなかの、最小の流れは、一つ一つの文。たとえば、「お爺さんもお婆さんも、妻もあの猫も、自分さえもいなくなった庭に、ひとりで立っていることがあった。」
 不思議な文だ。「自分さえもいなくなった」まで読んできて、誰もいない情景が浮かぶのが、続く「ひとり立っている」で「ただし、自分はいる」と、ひっくり返る。さらに、「立っていることがあった」で、それを回想する自分が現れる。
 ここには、自分という存在についての揺らぎがある。自分とそれを見る自分とのの距離が揺らいでいる。そう言えば、この本には、ただの一度も、「私」なり「僕」なりの一人称が出てこない。この本を構成する大元の湧き水は、確固たる「私」が消えた「手ぶら」の、不確かな「私」なのだ。
 そんな不確かな流れの傍に、幾筋もの流れが近づきまた離れ、ついにひとつの大きな流れに呑まれたかというところで、もう一度、不確かな流れが顔を出し、ふいに終わる。なんと精緻な散文の建築であることだろう。


『いい子は家で』青木 淳悟 |ちくま文庫

 この本のなかで、とくに『ふるさと以外のことは知らない』について解説しておこう。
 冒頭は、神の視点からはじまっている、ように見える。それが2ページめの、「さらにいえば鍵の管理とはどこか家庭の掌握とでもいうべきものに通じていはしないか」と、疑問形が出てくるあたりで怪しくなり、どうもこの神はさほど完全な存在ではなく、観察者にすぎないのではないかと思えてくる。そして、その数行後の「……とくに性格の似て非なる車のキーをそこから省いておきたいのである」の「おきたい」で、とうとう、神ではなく誰か人間の視点だということがはっきりする。では誰の視点なのか、と思いながら読み進んでいくと、次のページの終わりに、「太郎は十三歳になる年の四月はじめ、地元の公立中学の正門前で、そこを入るブレザー姿の自分の背中を見送って家に帰ってきたのだという」と不思議な文が出てきて、そのような比喩は十三歳の子供が使えそうな気がしないから、太郎ではなく、両親のいずれかがいったのを聞いたのかな、と思う間もなく、つづいて書かれているのがこんな調子なのである。

 二階の室内ドアのうち一つが開いていて、一つが閉じている。開いているほうの部屋から「遊ぶ気満々の」次郎が飛び出してくる。そしていつものようにとなりあう中学生の兄の部屋に遊びに入ろうとしたところ、鍵のかからないはずのその部屋のドアが開かなくなっていて、自分にはもう自由な入室が許されていないのだということをするどく察知して彼は思わず泣いてしまった。やがて室内から兄が高校三年まで聴きつづけることになるロックミュージックが流れ出し、それは弟の泣き声をかき消さんばかりにまでボリュームが高められていった。

 「遊ぶ気満々の」と括弧でくくられている。そこで読者は、この家庭のなかで、子供のときの弟の次郎を評する表現としてその言葉がよく使われていたのだろう、と思う。この視点の持ち主は、どうもこの家族に深く入り込んでいるらしい。「自分にはもう自由な入室が許されていないのだということをするどく察知して」では、家庭のなかどころか、次郎の心のなかにまで入り込んでいる。知りすぎている。流れ出す音楽が、太郎が「高校三年まで聴きつづけることになる」曲であることも知っている。こうなると、もう全能の神の視点だ。なのに、なぜかその曲のタイトルは語られない。まさかこの神、知らないわけではあるまいに、と思いながら、つづきを読めば、

 しかしそうしていつまで自分が泣きつづけようとしているのか、それもわからないまま泣く次郎は突然ぐいと横から手を引かれてよろめきながら自室に入りこんだ。手を引いたのはなみだ目で見てもすぐに兄の太郎だとわかった。次郎はなみだをぬぐったその腕で今度は自室のドアを閉め、隣室の音楽と、依然としてやまない泣き声とをともに遮断したのだという。ドアの外で弟はまだまだ泣きつづけていた。それから以後はドアではなく間仕切り壁を通り抜けて太郎と次郎の兄弟は互いの部屋を行き来しているということだった。

 語られているこの状況、理解できるだろうか。次郎は誰かに自室にひっぱり込まれた。ひっぱったのが「すぐに兄の太郎だとわかった」の「わかった」は次郎の視点である。しかし、太郎の部屋のドアがそれより前に開いたなら、そのことに次郎も気づきそうなものだから、たぶんそのドアは開いていない。なのになぜか、兄が部屋にいた。このことはその後も、謎として残ったはず、と思う。
 ともかく、次郎は隣の音だけでなく、自分の泣き声のうるささに耐えかね、泣くのをやめた、のではなく、ドアを閉めた。まだ泣いている。太郎の視点からすれば、だから「弟はまだまだ泣きつづけていた」。しかし、次郎の視点からすれば、ドアは閉まっているのだから泣き声は「ドアの外」から聞こえてきている。「ドアの外で弟はまだまだ泣きつづけていた」は、その太郎と次郎の視点が、無理やり合体されてしまっている結果に思える。
 このあたりから、発話者のいうことが怪しくなる。最後の、「それから以後はドアではなく間仕切り壁を通り抜けて太郎と次郎の兄弟は互いの部屋を行き来しているということだった」は、なぜドアも開けずに、兄が自分の部屋にいたのかという謎について、のちに家族の間で「間仕切り壁を通り抜けたんじゃないか」などと冗談になったことがあったのだろうか、そのことを聞きつけた発話者が、深く考えずにそのまま述べているのではないか、と思えるのである。
 『ふるさと以外のことは知らない』についてなにかを書こうとすると、こうして、その読書体験をそのまま書くのと、ほとんど変わらなくなってしまう。それは、この小説が、それを読み進む体験のなかにしかないからだ。
 物語がない。しかも、描かれる対象は、ぼくたちが日常、実際に生きている世界だ。その何の変哲もない世界がどう語られるかで、ふだん見慣れた風景ではなくなってくる。こういうことがまず、いたって建築に近い。なぜなら建築の対象とは、つまり現実の敷地であるわけだが、その敷地がもともと持っているもの、その敷地をとりまいている周辺環境を前提として、その空間をなにか別の位相に変異させるのが建築だからである。 

 『ふるさと以外のことは知らない』の発話者は観察して得た、あるいは入手して得た情報を、ある一定の個性を通して判断し、読者に向かって話しつづけている。その内容からいって知性は高いし、理解力も高い。しかし、この発話者の視点は非現実的で、すべてを知ることができる全能の神になりえる能力があるのに、とつぜん、家庭生活を覗き見る観察者ほどにまで、視野がせばまってしまう。誤謬もおかす。またその視点は、母親、父親、息子の心のなかにも入り込む、と思えば、とつぜん、建築関係の本から得た知識をそのまま語りだす。
 発話者は本来は神の視点をもちえるし、そうであろうとする意志ももっている。しかし、実際にとっている視点は自由に動きまわっているように見えて、かなり不自由だ。発話者のコントロール下にはない。この家とその近傍からは出ることはないのである。という意味で、たしかにこの発話者は「ふるさと以外のことは知らない」。どう考えても、そんな発話者の視点、生身の人間のそれではない。
 では、いったい誰の視点なのか。
 それは現代の建築における発注者の視点だ、というのが、とりあえずの答えだ。とくに「公共建築」の発注者の視点。公共建築を発注するのは、形式としては、役所ではある。しかし、本当の発注者は役所ではなく、そこを実際につかう市民である。では、その市民とは誰かといえば、まさか声の大きい人というのでもあるまい。そうではなく、サイレント・マジョリティだ。しかし声なき人は見えない。存在しないに等しい。
 『ふるさと以外のことは知らない』は、発話者の視点そして読者の間で、そんな現代の発注者、つまりわれわれの肖像を描いているように思えるのである。

















ヨコミゾマコト 教授(環境設計第二研究室)の推薦図書

無意識のうちに、空間(=土地)と人と時間とのロンドとも言える作品を選んでしまいました。

『百年の孤独』ガルシア・マルケス|新潮社|1972

『方丈記』鴨長明|(現代語訳付文庫本が各社あり)

『ゼウスガーデン衰亡史』小林恭二|福武書店| 1987

















金田充弘 准教授(構造設計第一研究室)の推薦図書

『流れとかたち』 エイドリアン・ベンジャミン、Jペダー・ゼイン著|紀伊国屋書店  
 「世界を動かすのは愛やお金ではなく、流れとデザインである」序より

『シドニーオペラハウスの光と影』 三上祐三著|彰国社
 みなさんの大先輩、芸大建築科OBの三上さんが設計から竣工まで関わられらたシドニーオペラハウスのメイキング本です。設計すること、建てることの面白さと悩ましさが伝わってきます。 

『空間 構造 物語ーストラクチュラル・デザインのゆくえ』 斎藤公男著|彰国社 
 1年生の構造の授業で推薦している図書です。世界中の知っておいた方がよい構築物が、写真やスケッチ入りでたくさん紹介されています。難しい本に疲れたら、パラパラとページを捲ってみるだけでも良いと思います。  


















光井渉 教授(建築理論第一研究室)の推薦図書
 
 建築科のカリキュラムでは、建築家に必要な素養のうち、設計実技・構造・環境・建築史など最小限の内容を扱います。語学やその他共通科目も開講されますが、受け身でなく自ら本を探して読むことで様々な分野の知見を広げて欲しいと思います。そうした知見の積み重ねが、あなたの建築家としての存在を唯一無二なものにするでしょう。
 ではどのような本を読むのが良いのか、どうやって探すのが良いのか。正解はありませんが、特定のテーマについて掘り下げて論じている「新書」から選ぶのは、その一つの手がかりになります。
 大型書店に行くと、新書は一ケ所に集められています。図書館でも同じく一つの棚にまとめて配架されています。そのため、思いがけないようなテーマの本が隣り合って並び、意図しない本との出会いが期待できます。並んだ背表紙を眺めて、何か気になったものを読んでみる。面白いもの、期待外れなもの、難解なもの、納得できないもの、読後の感想は様々ですが、一月に一冊というように習慣化して継続していけば、視野が広がり考え方も変わってきます。
 近年、新書も数を増やし、中には読むに堪えない低レベルなものも散見されます。しかし、岩波新書・中公新書は、毎月数点の新刊を刊行しながらも、世代を越えて読み継がれていくものが多く、その他、ちくま新書・講談社現代新書・光文社新書・NHK出版新書、あるいは判型が少し異なりますが、朝日選書・講談社メチエ・SD選書(これは建築系の選書です)なども推奨できます。
 なお、今はコロナ禍で本屋に出向くことが憚られるので、各新書のホームページ上の目録を眺めて選書するのが良いでしょう。

 以下に新書の中から何冊か挙げて、一言添えておきます。順番に意味はありません。思いついた順です。

『不平等社会 さよなら総中流』佐藤俊樹|中公新書|2000年
 社会学の視点は建築を考える上でとても参考になります。この本は、現代日本で広がる格差と階級の問題に言及したもので、ここから多くのフォロワーが生じました。データに基づいて冷静に社会の変化を記述していて、内容も記述法も参考になります。

『立志・苦学・出世』竹内洋|講談社|1991年
 これは社会学と教育学の観点からの著作です。近代の学歴エリート層の出現を、受験制度に焦点をあてて論じたものです。個々の描写や分析も興味深いですし、社会制度が価値観まで変えていく状況の分析はシャープです。受験を終えたばかりの皆さんには、特に興味深く読めるのでは。

『複合不況』宮崎義一|中公新書|1992年
 経済の問題も建築にとっては重要です。この本はバブル崩壊直後にそのメカニズムと深層的な要因を解説し、通常の景気循環の波とは異なる不況の長期化を予想したものです。刊行直後に読んで、とても衝撃を受けたことを覚えています。同じ著者の『ドルと円』(岩波新書、1988年)もおすすめ。

『トラクターの世界史 人類の歴史を変えた鉄の馬たち』藤原辰史|中公新書|2017年
 農業の研究者による著作。単なる機械であるはずのトラクターの普及が農作物の大量生産を実現し、結果として農村から国家の在り方までを変えていったことを示しています。思想や理念ではなく、道具としての機械が果たした役割の大きさを実感できます。

『博物館の誕生 町田久成と東京帝室博物館』関秀夫|岩波新書|2005年
 上野公園には、博物館・美術館・図書館・音楽ホールそして藝大が立地しています。なぜ、この場所に多くの文化施設が集中して立地しているのでしょうか。この本は、これから皆さんが数年間過ごすことになる上野という場所の性格が造られていった経緯を記述したものです。建築と立地と人物の関係を考える際にも重要な視点が含まれています。

『歴史人口学から見た日本』、速水融|文春新書|2001年
 皆さんがこれまで習ってきたものとは全く異なる歴史です。ここでは英雄も事件も描かれません。人口の増減とその移動状況から社会の変化がとても明快に示されていて驚きを覚えます。この著者には、スペイン風邪のパンデミックを扱った著作もありますが、その内容はまさしく今の世界をみるようです。


一言は書き添えませんが、以下も推薦しておきます。
『夜はくらくてはいけないか 暗さの文化論』乾正雄|朝日選書|1998年
『橋はなぜ落ちたのか 設計の失敗学』ヘンリー・ペトロスキー|朝日選書|2001年
『博覧会の政治学』吉見俊哉|中公新書|1992年
『「お墓」の誕生』岩田重則|岩波新書|2006年
『一茶の相続争い』高橋敏|岩波新書|2017年
『キメラ 満洲国の肖像』山室信一|中公新書|2004年
『古文書返却の旅』網野善彦|中公新書|1999年
『「民都」大阪対「帝都」東京』原武史|講談社メチエ | 1998年
『明治神宮の出現』山口輝臣 |吉川弘文館歴史文化ライブラリー | 2005年


















野口昌夫 教授(建築理論第二研究室)の推薦図書

私の3冊は、自分が学生の時に影響を受けたものにします。
先入観を与えたくないので、推薦理由やコメントはしません。

1 『16の住宅と建築論』篠原一男 |美術出版社
2 『現代日本の住宅』林雅子編著 |彰国社
3 『建築の解体』磯崎新著 |美術出版社

















森純平 助教の推薦図書

これまで本の中でしか知らなかった憧れの建築家やアーティスト、同級生達といつのまにかテーブルを囲んで議論ができるようになっていることに、ある日ふとうれしくなります。
僕が藝大にはいってから、著者本人やその関係者から、直接話を聞いたことがある生きた言葉をイメージできる本です。
知恵を経験に変えることができる藝大生活をぜひ楽しんでください。

『建築はほほえむ』松山 巖 |文明の庫| 2010/12
松山さんもですが元倉真琴さんとの対話しているような一冊。

『良心の領界』 スーザン・ソンタグ | NTT出版 | 2006
木幡和江さんという方を通してスーザンの生き方のようなものを教わりました。

『ネンドノオンド』佐藤 オオキ |日経BP | 2019/4/4
まるで学校の製図室での会話のような気さくな雰囲気で世界のデザイナーとの会話が繰り広げられているの横できいているような気分になります目指せ世界。


















栄家志保 教育研究助手の推薦図書

建築を作るときには、人や土地をたくさん観察します。そのまなざしの深さや広がり、自由さを感じられる本を選びました。

『集落の教え100』原広司
1枚の写真と1つの単語のセットから、無限の想像が膨らみます。開く度に気になるページが変わるので、いつまで経っても読み終わった気にならない本です。

『介護するからだ』細馬広通
介護する人とされる人の双方のからだのやりとりが日常会話のように描かれています。緻密で愛情深く、そしてユーモア溢れる観察は誰もを魅力的にみせる力があるのだと知ります。

『浅草紅団|浅草祭』川端康成
川端康成は、浅草に住みながらこの架空の物語を書いたそうですが、<あくまで浅草の散歩者、浅草の旅行者に過ぎなかった>と告白しています。彼が捉えた昭和はじめの浅草の空気が、時を超えて伝わってきます。それは建築のようだと思っています。


















津川恵理 教育研究助手(建築設計第一研究室)の推薦図書

『建築20世紀PART1, PART2』1991新建築1月臨時増刊
専門家が良い建築と評価する建築がどんなものなのかを知るには、広く浅く全体に触れられて良いと思います。

『アートは資本主義の行方を予言する』山本豊津著
アートの価値と値段の関係性、アートの値段がなぜ高騰するのかを知りたくて読んで、とても学びになった本です。

『数学する身体』森田真生著
数学者が書いた身体論で、私たちの日常の無意識な思考や行動を論理的に分析してあり、なかなか感動しました。

















湯浅良介 教育研究助手(建築設計第二研究室)の推薦図書

『日本デザイン論』伊藤ていじ
建築を学び出した時初めて読んだ本。一冊目がこれでよかった。

『自分にふさわしい場所』谷郁雄
日常への眼差しを大切にしたくて詩を読む。

『シュタイナーの美しい生活』ルドルフ・シュタイナー
たまたま最近手元に来た。
美しい建築って必要なのかな、なんのためにあるんだろうな、っていう心の奥底にあり続けた疑念を脱ぐってくれた。



















メイサ・ムスバ 教育研究助手(建築設計第三研究室)の推薦図書

『The Second Digital Trn: Design Beyond Intelligence』By Mario Carpo
Although a very complicated book and might be difficult to read, but it shows how Big Data and computerization is affecting design. A very important book for the digital era



















澤田航 教育研究助手(環境設計第一研究室)の推薦図書

憧れる人の本にしました。 

『野生の思考』レヴィ・ストロース
異なるものの間に関係性を見出していく能力は建築家に必要な職能のひとつだと思います。   

『錯乱のニューヨーク』レム・コールハース
初めて読んだ建築家の本。都市を理知的にかつ文学的に語るとこうなるのか。これを読んで感動した僕は間違えて最初経済学部に入ってしまいました。

『アウステルリッツ』W.G.ゼーバルト 
小説。主人公は建築史家。
詳細な建築の叙述の間に差し込まれるフィクショナルな写真や図版。

















徳山史典 教育研究助手(環境設計第二研究室)の推薦図書

本を読むのはちょっと苦手という人も、ここに挙げられたたくさんの推薦図書を、読み切るためのモチベーションになればと。

『センスは知識からはじまる』|水野学 朝日新聞出版

















秋田亮平 教育研究助手(構造設計第一研究室)の推薦図書

『生物から見た世界』 ユクスキュル/クリサート
『家ってなんだろう』 益子義弘
『Powers of ten』 フィリップ+フィリス・モリソン、チャールズ+レイ・イームズ


















辻慎一郎 教育研究助手(建築理論第一研究室)の推薦図書
 古典文学に触れるのも大事かと思いますので、この2冊を推薦します
『陰影礼賛』谷崎 潤一郎
『見えない都市』イタロ・カルヴィーノ
















大島碧 教育研究助手(建築理論第二研究室)の推薦図書

『風景の経験 景観の美について』J.アプルトン
わたしたちが何気なく心地よいと感じる、または、なんだか落ち着かない場所が、なぜそう感じられるのか。地理学者、動物行動学(コンラート)の視点からとてもわかりやすく書かれています。

以下はこれから皆さんが課題の敷地にしていく機会が多いであろう東京の構造や場所性にフォーカスした本です。こうした背景を知ると、普段の生活の中で見えてくるまちの景色も変わってきます。ワクワクしますよ。

『東京の空間人類学』陣内秀信、『見えがくれする都市』槇文彦
とあわせて読むとより学びが深まります

『都市のドラマトゥルギー』吉見俊哉
前半は文章の書き方だけでもとても勉強になる本です




















イラスト:栗原啓伍(B2)

News |中山英之「A night in CINE-MA」公開

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2019年5月23日から8月4日にかけてTOTOギャラリー・間にて展覧会「中山英之展 , and then」が開催されました。
この展覧会に合わせて開かれた連続トーク「A night in CINE-MA」の記録を東京藝術大学中山研究室noteで公開しています。

毎週金曜日の夜に開かれた「A night in CINE-MA」では、中山英之が映画館の支配人となり、さまざまなゲストを交えて、映画と空間にまつわる話が繰り広げられました。
全9回のトークのうち、映像上映(第4、5回)とポエトリーリーディング(第7回)、スペシャル回を除く5回の記録を順次公開していきます。



はじめに「A night in CINE-MA 公開にあたって」

第1回:「mitosayaの3人と3年」前編 / 後編
出演:江口宏志(蒸留家、mitosaya 薬草園蒸留所オーナー)、
   山野英之(グラフィックデザイナー)
開催:2019年6月7日(金) >公開:2020年4月24日(金)


第2回:「漂流する映画館、ふたたび」
出演:藤原徹平(建築家)
開催:2019年6月14日(金)>coming soon


第3回:「建築のない映画館」
出演:安藤桃子(映画監督)、有坂塁(移動映画館キノ・イグルー主宰)
開催:2019年6月21日(金)>coming soon


第6回:「想像力の労働、そのはなしの続き」
出演:濱口竜介(映画監督)
開催:開催:2019年7月12日(金)>coming soon


第8回:「例外音楽/建築論」
出演:岡田栄造(京都工芸繊維大学教授)、野口順哉(音楽家)、佐々木 敦(批評家)
開催:7月26日(金) >coming soon

Examination |令和3年度 東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻 学生募集

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Examination |令和3年度 東京藝術大学大学院美術研究科建築専攻 学生募集

2021年度(令和3年度)の大学院入学希望の学生に向けて、各研究室では個別に事前対応を行います。それぞれの事前面談やオープンラボの開催日程等は下記のとおりです。

なお、大学院入試全般に関する情報は東京藝術大学[入試情報]を参照してください。

藤村龍至研究室(建築設計 第1研究室) 
7月27日(月)事前面談(対面/オンラインの選択が可能です)[申し込み〆切:7月13日(月)17:00]
・希望される方は7月13日(月)17:00までに下記のフォームで申し込みをしてください
東京藝術大学 藤村龍至研究室 事前面談
詳細:http://ryujifujimuralabo.tumblr.com/


中山英之研究室(建築設計 第2研究室)
7月27日(月)事前面談[申し込み〆切:7月13日(月)17:00]
下記詳細ページを確認して必要事項を記入の上、
nakayamalabo_geidai@yahoo.co.jp(教育研究助手・湯浅宛)まで。
*@は半角に置き換えてください。
詳細:https://nakayamalabo.tumblr.com/post/620986853530730496/students-recruitment-2021

樫村芙実研究室(建築設計 第3研究室)
7月27日(月) 、7月28日(火) 事前面談 (オンラインを予定)[申し込み〆切:7月20日(月)24:00]
下記詳細ページを確認して必要事項を記入の上、
kashimura.lab@gmail.com(教育研究助手・ムスバ宛)まで。
*@は半角に置き換えてください。
詳細:https://kashimuralab.tumblr.com/

青木淳研究室(環境設計 第1研究室) 
7月27日(月)事前面談(オフラインもしくはオンライン)[申し込み〆切:7月17日(金)17:00]
詳細:https://aoki-lab.tumblr.com/post/615633822819762176/2021年度入学-大学院入試事前面談について

ヨコミゾマコト研究室(環境設計 第2研究室)
事前面談・オープンラボ[申し込み〆切:7月31日(金)]
リモート:8月4日(火)
対面:8月5日(水)
詳細:https://yokomizo-lab.geidai.ac.jp/examination/

金田充弘研究室(構造計画 第1研究室) 
事前面談は個別対応。
希望者は氏名、所属大学、携帯番号、メールアドレスを明記のうえ、
教育研究助手・秋田 akita.ryohei@fa.geidai.ac.jpまで。
*@は半角に置き換えてください。

光井渉研究室(建築理論 第1研究室) 
事前面談は個別対応。
問い合わせ:教育研究助手・辻 tsuji.shinichiro@fa.geidai.ac.jp
*@は半角に置き換えてください。

野口昌夫研究室(建築理論 第2研究室) 
教授の退官に伴い、新入生の募集はありません。



Lecture |小川重雄 「建築写真の世界 場と光の選択」

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Lecture |小川重雄 「建築写真の世界 場と光の選択」


この度、写真家 小川重雄氏による特別授業を行います。
例年は建築科学部2年生を対象に、模型写真を学ぶワークショップを行っています。
本年度はオンライン授業という環境から、学外へも公開する特別授業を行います。


小川重雄 「建築写真の世界 場と光の選択」
日時:2020年8月21日(金)19:00~
場所:ZoomおよびYoutubeLIVEにて配信 ※当日に本ウェブページにてURLを公開します。
主催・企画:東京藝術大学美術学部建築科教室
問い合わせ先:050-5525-2234

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また本日より、小川さんの写真展が根岸のアトリエにて開催されております。

小川重雄写真展「イサム・ノグチ モエレ沼公園|Timeless Landscapes 2」
会期:2020/8/8(土)~8/16(日) 12:00-19:00
場所:GALLERY O / 東京都台東区根岸3-22-5
入場料:無料
詳細:Ogawa-studio.com

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小川重雄 / Shigeo Ogawa

1958 東京都台東区根岸生まれ
1980 日本大学藝術学部写真学科卒
   伊勢神宮の撮影で著名な渡辺義雄教授の勧めで、建築写真の世界に進む
   株式会社川澄建築写真事務所入社
1986 株式会社新建築社入社
1991 株式会社新建築社写真部長
2008 新建築社を退社、小川重雄写真事務所開設
2012 桑沢デザイン研究所非常勤講師、東京理科大学特別講師、法政大学大学院兼任講師
東京大学にて写真展「Perspective Architecture」開催
2013 武蔵野美術大学特別講師、東京大学特別講師
2018年~ 東京藝術大学美術学部建築科非常勤講師、日本大学藝術学部写真学科非常勤講師、早稲田大学芸術学校非常勤講師



「熊本神水公衆浴場付きの住宅」設計:ワークヴィジョンズ


Exhibition |小規模多機能施設課題成果展「拡張された家」

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Exhibition |小規模多機能施設課題成果展「拡張された家」

本科学部2年生による前期設計課題「拡張された家」において、「住宅以上公共施設未満」の集会施設の設計に取り組みました。
敷地の一部として設定したHAGISOにて、成果展覧会を開催します。

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会期:2020年9月8日(火)〜9月22日(火)
会場:HAGISO1F(HAGI ART・HAGI CAFE)
   JR日暮里駅北改札西口 / 地下鉄千駄木駅2番出口より徒歩5分
営業時間:12:00〜21:00

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出展者:石井梨紗、金子太一、喜多川幸奈、木村浩太、工藤思由、工藤森人、栗原啓伍、杉原有香、關田重太郎、長谷果奈、西沢瑶、福島美絃、南昂希、三輪和誠




Examination |令和2年度 東京藝術大学美術学部建築科 入学試験 参考作品

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Examination |令和2年度 東京藝術大学美術学部建築科 入学試験 参考作品

東京藝術大学美術学部建築科の入学試験は、文章と図で示された立体を印象ではなく正確に捉え描画を行う[空間構成]と、与えられた素材から空間をドローイングや文章で表現する[総合表現]の2課題で構成されます。

以下に、令和2年度の美術学部建築科入学試験の参考作品とその評価基準を掲載します。平成31年度以前については本ページの下段のリンクから参照できます。

なお、試験問題については、こちらを参照してください。
令和2年度美術学部建築科入試問題用紙(PDF)

また、令和3年度入学試験に関する情報は、大学入試情報サイトに掲載される募集要項を参照してください(11月頃掲載予定)。
東京藝術大学入試情報サイト

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◎[空間構成](1日目)
この試験は、与えられた文章と図の正確な考察に基づき、立体を構成・表現する力を問うものです。
本年度は、指定された条件に従って直方体を3つに分割し、それを適切に配置して描写を行うものでした。
本年度の試験において特に評価した点は以下の通りです。

 ① 指定された条件に適合していることを説明する能力
 ② 配置を念頭に置いて適切な形状に分割を行う能力
 ③ 分割を行った立体群の特徴を活かした配置を考案する能力
 ④ 素材及び立体群が創り出す空間の描写力

本年度の試験では①は大部分の受験生がクリアしていましたが、②及び③が無造作に行われている解答が散見されました。機械的に立体を分割するのでは無く、個々の立体の形状や最終的な配置方法を考慮した分割を期待していました。

以下、合格者の解答例です。


解答例a(設問1、2)


解答例b(設問1、2)


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◎[総合表現](2日目)
この試験は正解を求めるものではなく、受験生の資質と独創性を問うものです。
内容は、与えられた素材(文章、図、写真、映像など)から空間をイメージし、それをドローイング、立体、文章などで表現するものです。
本年度は、映像作品を鑑賞した上で、そこで感得あるいは観察した内容を基にして、空間をイメージし、それを簡易な立体とドローイング及び文章で表現するもので、以下の点を特に評価しました。

 ① 映像から想起したイメージとその適切な表現
 ② イメージを空間に結びつけていく構想力
 ③ 構想した空間を表現する能力
 ④ 制作意図を的確に説明する能力

本年度の試験では、①に関しては、映像の観察が十分ではない解答が見受けられました。また、②に関して、想起したイメージと作成した空間との関係が不明瞭なものが多かったことも残念です。総合表現の試験では、与えられた素材に対する観察が重要であることをよく理解して試験に臨んで下さい。

以下、合格者の解答例です。


以上4点、解答例A(設問1、2、3、4)
この解答例は、詳細な観察の上で、映像が持つ時間軸を構築物の長さに、運動性を曲面をもった形態に置き換えています。構造物内を進むにつれて変化する光の量や、床の傾きなどにより、さまざまな居場所を作り出そうとしています。構造物の形態や全体構成が、やや直裁であることは否めません。

以上4点、解答例B(設問1、2、3、4)
この解答例は、映像を撮影するカメラ位置の変化も見逃さず、いわば1つ上の次元から映像作品全体を捉えようとしています。しかし、表現されたものは、静的/動的2つの個別の空間であり、観察から得られた独自の視点を十分に生かしきれているとは言いがたく、やや凡庸なものとなっています。

以上4点、解答例C(設問1、2、3、4)
設問1では、さほど注目に値するものはありませんが、提示された立体がもつ不可思議な造形が印象に残りました。映像に見られた運動性を3つのムーブメントに分解し、それぞれを立体化し構成しています。噛み合わせ、切り欠くなどの操作も効果的であると言えますが、設問3の描写と設問2の立体物の一致が不明瞭でした。


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関連:
平成31年度 東京藝術大学美術学部建築科 入学試験 参考作品
平成30年度 東京藝術大学美術学部建築科 入学試験 参考作品
平成29年度 東京藝術大学美術学部建築科 入学試験 参考作品
平成28年度 東京藝術大学美術学部建築科 入学試験 参考作品
平成27年度 東京藝術大学美術学部建築科 入学試験 参考作品
平成26年度 東京藝術大学美術学部建築科 入学試験 参考作品
平成25年度 東京藝術大学美術学部建築科 入学試験 参考作品

Exhibition |シン・マサキキネンカン

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Exhibition |シン・マサキキネンカン


青木淳研究室(建築設計第二研究室)による展覧会を開催します。

会期:2020年12月5日(土)〜12月13日(日)
会場: 東京藝術大学構内 正木記念館
開場時間: 10:00-17:00(入館は閉館時刻の30分前まで)
入館料: 無料
主催: 東京藝術大学青木淳研究室 修士一年
   荻野 紗・齋藤 悠太・藤井 雪乃・山田 寛太
担当教員: 青木 淳( 教授)・澤田 航(助手)
TEL: 03-5777-8600(ハローダイヤル)

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 建築で「空間」と言うとき、それはなにもない場所という意味を指していません。建築の世界での「空間」とは、地面や、川や、樹木や、塀や、さてまた壁や床や天井などの、つまりは建築など、複数の事物があって、それらが張り巡らされている場、ということを指しています。その意味では、私たちのまわりには空間が満ちていて、逆に言えば、空間でない場を探す方がむずかしいのです。
 建築とは、そのような空間を扱う行為であり、そして、この世の中という、空間だらけのところでそれを扱うのですから、具体的には、すでにそこに存在しているあるひとつの空間に手を加える、ということになります。
つまり、すべての建築は、広い意味でのリノベーションなのです。
東京藝術大学建築科青木淳研究室では、こうした広い意味でのリノベーションに、修士1年生が共同して取り組み、実際にテンポラリーな形ではありますが、実現します。 
 しかし、テンポラリーなリノベーションとは、空間の側から言えば、「展覧会」そのものではないか、というのが、私たちの立場です。なぜなら、展覧会とは、ある空間を作品の配置によって、ある一定の時期に、もともとの場所とは違う空間にする行為であり、もしも「作品」を括弧にくくって見れば、それはテンポラリーなリノベーションとも言えると思われるからです。

 さて、今回の会場である正木記念館は、昭和10 年、東京美術学校(現東京藝術大学)の第五代校長・正木直彦氏の長年に渡る功労を記念して建設されました。近代和風様式の鉄筋コンクリート造。会場である2階は、正木氏の希望により書院造の和室が設けられました。東京都美術館や黒田記念館等が歴史的な美術作品を収蔵するのに対し、本館は主に学生や若手美術家の新作を披露する場としての役割が充てがわれる一方、その設えから茶会や研究活動等への利用も加味されています。そういった様々なアクティビティへの余地、必要とされる条件、記念碑としての存在。あらゆる決定事項が重なり、正木記念館はある種普通ではない状況をつくり出しています。
 私たちは、その正木記念館にテンポラリーなリノベーションとしての「展覧会」を企画しました。まず、正木記念館をつぶさに観察し、建具、畳、構成、光といった、あらゆる要素がいかにその空間に影響を与えているかを分析し、その各要素が示唆する次へのステップを汲み取りながら、あらゆる空間的な変化を会場内に散りばめました。
 ここには、いわゆる「作品」はありません。代わりに、「作品」に見立てた無作為な物達が配置され、それらは空間を構成する要素として、他の事物と等価に扱われています。
 また、建築や空間は人が利用することで初めて完成します。つまり来場者が畳に座ったり、襖を開けたり、何かを見つめたりすることでついにこの空間に意味が発生します。このプロジェクトでは、いかなる現象も空間の要素となることを前提としています。
 この場所に発生するあらゆる現象によって、正木記念館の空間的な自由を表現し、それ
によって、建築におけるテンポラリーなリノベーションとしての「展覧会」の意味を問い直します。全ては試行の只中です。この会期中、今までにない正木記念館の風景が見えてくることを願っています。





News |第69回 東京藝術大学 卒業・修了作品展 建築科関連情報

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第69回 東京藝術大学 卒業・修了作品展 建築科関連情報

美術学部全科の卒業制作・修了制作が展示される「第69回 東京藝術大学 卒業・修了作品展」が開催されます。建築科では、卒業制作と修士制作・修士論文を展示いたします。
本展のご来場には事前予約が必要です。各開催日の1週間前0:00に発売開始いたします。
詳細はこちら link

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会期:
2021年1月29日(金)~2月2日(火)
※東京都美術館は2月1日(月)休館、入場無料
開館時間:
9:30~17:30[入場は 17:00 まで]
会場:
[卒業制作]:東京都美術館(東京都台東区上野公園8-36)
[修了制作]:東京藝術大学上野キャンパス総合工房棟(A棟)1階オープンアトリエ、4階建築科+大学美術館陳列館2階
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卒業制作講評会 レコード

一昨年度展覧会の風景

News | Learning from Africa ウェブサイトの公開

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Learning from Africa ウェブサイトの公開

樫村芙実研究室(建築設計第三研究室)が中心となって活動しているアフリカでのプロジェクトをまとめるウェブサイトが公開されました。
ウェブサイトはこちら

ロバート・ヴェンチューリは1972年に『ラスベガス』(原題”Learning From Las Vegas”)を出版しました。ラスベガスという街の観察を通して当時の建築家やクリエイターが見過ごしていた、もしくは見ることを避けていた事柄にスポットライトを当て、新たな視点を与えました。

‘Learning from Africa’はアフリカにまつわる写真・建築・映像・音のshowcaseです。アフリカでは、多くの都市が急激な都市化の只中にあり人で溢れかえる一方で、郊外には豊かな自然や長く変わらない風景や暮らしがあります。様々な魅力的で創造的な活動も、淡々とした日常も、目を覆いたくなるような悲しい出来事も、日々そこにあります。‘アフリカ’とは大陸の名前で、10億人を超える人々が生きる場所であるのに、その魅力やそこで起きている喜劇・悲劇が十分に共有されていないのは、大陸が大きすぎるからだけではないように思います。

急激に変化するアフリカの都市や地域を様々な方法で観察、記録していくことで、私たちが暮らす様々な都市や街、暮らしについて考えるきっかけになればと思います。ウガンダ出身の写真家Timothy Latimなど、現地で観察と記録、表現や創作をつづけているコラボレーターと共に、その歪で魅力的な都市や街についての記事を公開していきます。

樫村 芙実
森 純平
メイサ ムスバ
小林 一行

助成:東京藝大「I LOVE YOU」プロジェクト



令和2年度 卒業制作講評会

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レコード



photo by hayato itakura

Publication |光井渉『日本の歴史的建造物 -社寺・城郭・近代建築の保存と活用』

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Publication |光井渉『日本の歴史的建造物 -社寺・城郭・近代建築の保存と活用』


光井渉教授の最新著作『日本の歴史的建造物』が出版されました。

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『日本の歴史的建造物 -社寺・城郭・近代建築の保存と活用』
著者:光井渉
発行所:中央公論新社(中公新書)
発行年月:2021年2月
定価:900円+税
ISBN:978-4-12-102633-0
詳細:https://www.chuko.co.jp/shinsho/2021/02/102633.html
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歴史的建造物という存在を発見し、保存・復元という手法を生み出していった軌跡を、
日本近現代史の中に位置付けることをストーリーの基軸とした著作。
藝大大学院で行った講義を基にしたもの。




Exhibition |部屋の中の100倍の世界

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Exhibition |部屋の中の100倍の世界

2020年春。私たち藝大中山研も例に漏れず、対面ゼミや研究のための現地調査もままならない状況下でのスタートとなりました。
これは、それぞれ異なる出身校から集まった修士1年3名の、1年間の製作記録です。
ほとんどの時間をひとり暮らしの小さな部屋で過ごすことになったとき、私たちはそこから始まる建築的想像力について考えました。
仮に建築を、既にある世界に引く1本の線とするなら、この小さな部屋にも十分に多様な世界は存在しているのではないか。冷蔵庫を開くと そこにある卵や氷は、限りない魅力を湛えた極小の構造物に見えました。
使い慣れた「縮尺」で自分自身を1/100の大きさに見立てる。100倍にひろがった世界の観察と、そこに書き足された線としての建築群 による、小さくて大きな世界へようこそ。

会場:花園アレイ The 5th Floor 東京都台東区池之端 3-3-9
会期:2021/03/27-2021/04/11 am12:00-pm18:00

なお、ご来場の際には事前予約が必要となります。
以下URLより予約申込みをお願いいたします。

https://airrsv.net/the5thfloor/calendar

各回定員15名となりますので、お早めにご予約されることをおすすめします。

〈感染症対策について〉
新型コロナウイルス感染症の感染拡大予防の為、以下の点にご留意ください。 ・マスクを必ずご着用の上でご来場ください。なお、マスクのご着用がないお客様及びフェイスシールド、マウスシールドのみご着用のお客様のご入場はお断りさせていただく場合がございます。
・発熱や咳、咽頭痛、倦怠感など風邪の症状がある場合にはご入場をお控えください。
・会場入口には手指消毒用のアルコールの設置をいたしますのでご利用ください。
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A world 100 times the size of the room

Spring 2020.

Under the unprecedented situation with global COVID-19, we at Hideyuki Nakayama Laboratory, Department of Architecture, Graduate School of Fine Arts, Tokyo University of the Arts were no exceptions but started the year with no time for face-to-face seminars or field surveys for research.

This is a year-long production record of three first-year master’s students from different schools.

When we had to spend most of our time in a small room where we lived alone, we thought about the architectural imagination that begins there.

If we think of architecture as a line drawn through a world that already exists, then there is a wide variety of worlds in this small room.

Wouldn’t there be?

When I opened the refrigerator, the eggs and ice in there looked like minuscule structures of endless fascination!

Using the familiar “scale,” I see myself as 1/100th the size.

Welcome to the small and big world by observing the world enlarged 100 times and the architecture as lines added to it.


place:Hanazono Alley The 5th Floor 3-3-9 Ikenohata Taito-ku Tokyo 110-0008
date:2021/03/27-2021/04/11 am12:00-pm18:00

Please make a reservation in advance at the following URL.

https://airrsv.net/the5thfloor/calendar



Cominciare

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新入生の皆さんへ



どんな時代にも、その時代固有の切実さがあります。

そして、そんな時代の声にいつも最も敏感なのが、芸術家たちだったのではないでしょうか。


一方建築家とは、

時に人の一生を超えた時間軸のなかで、

世界のありように思いを巡らせる存在でもあります。

私たちは、この藝大で過ごすかけがえのない時間を、

これまで通りに謳歌することが困難な状況に直面しています。


けれども、

だからこそ、

今この瞬間に耳を澄まし、

同時に自分自身の存在を超えた時間に目を凝らして、

芸術家であり、そして建築家である自分たちを最大限に発揮しましょう!



入学、進級、おめでとうございます。



東京藝術大学 美術学部 建築科 教員より





「Cominciare」
MOVIE: Isao Kanemaki
EDIT:Su Hao   
MUSIC:El Viento by Baku Furukawa 
DIRECTION:Jumpei Mori

SITE:「DIGITAL UENO PARK」
DATE:2020/March/26th,27th/ 
SCANING:Mitsuhiro Kanada Studio Tokyo University of The Arts
SCANING Supported :KUMONOS Corporation
PRODUCE:Mitsuhiro Kanada,Ryohei Akita

News|長谷川香講師の就任

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2021年度より、建築家の長谷川香氏が本科講師(建築理論第二研究室)に就任しました。

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長谷川 香(Kaori Hasegawa)

1985年 東京都生まれ
2003年 東京大学工学部建築学科卒業
2013-2015年 文化庁国立近現代建築資料館研究補佐員
2017-2019年 東京藝術大学美術学部建築科教育研究助手
2018年 東京大学大学院博士課程修了、博士(工学)
2019-2021年 東京理科大学理工学部建築学科助教
2021年 東京藝術大学美術学部建築科講師就任

著書に『近代天皇制と東京』(東京大学出版会、2020年)、共著に『明治神宮以前・以後』(鹿島出版会、2015年)、翻訳書(分担)に『近代建築理論全史 1673-1968』(H.F.マルグレイヴ著、加藤耕一監訳、丸善出版、2016年)など。
第27回前田工学賞受賞(2020年)。

● 学生へのメッセージ
「自分が気になることを、興味のおもむくままに探求していたら、気がつけば建築史の研究者になっていました。
みなさんも、とにかく心惹かれるものを思う存分追求して、学問を楽しんでください。

ところで、歴史研究と聞くと、古いもの好きの学問というイメージがあるかもしれませんが、自分なりの新しい歴史像を描くということは、現在を理解し、未来を考えることにつながります。
みなさんに刺激を受けながら、一緒にクリエィティブな歴史研究をしていきたいと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。」



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Examination |令和3年度 東京藝術大学美術学部建築科 入学試験 参考作品

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Examination |令和3年度 東京藝術大学美術学部建築科 入学試験 参考作品

東京藝術大学美術学部建築科の入学試験は、文章と図で示された立体を印象ではなく正確に捉え描画を行う[空間構成]と、与えられた素材から空間をドローイングや文章で表現する[総合表現]の2課題で構成されます。

以下に、令和3年度の美術学部建築科入学試験の参考作品とその評価基準を掲載します。令和2年度以前については本ページの下段のリンクから参照できます。

なお、試験問題については、こちらを参照してください。
令和3年度美術学部建築科入試問題用紙(PDF)

また、令和4年度入学試験に関する情報は、大学入試情報サイトに掲載される募集要項を参照してください。(11月頃掲載予定)
東京藝術大学入試情報サイト

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◎[空間構成](1日目)

この試験は、与えられた文章で定義された立体を、条件に従って構成・表現する力を問うものです。
本年度は、[問題1]で定義した3つの立体(立方体、直方体2つ)に球体を追加した4つの立体を、指定された条件に従って適切に配置し描写を行うものでした。

本年度の試験では、「重力を考慮し、バランスを保って静止している状態」を構成条件のひとつとしました。ほとんどの作品は、条件を満たしていましたが、重力を考慮することで、立体の構成や描写の構図が静的になる傾向がみられました。その中で、重力とバランスを上手く表現し、作品の魅力とできているものをより高く評価しました。特にツヤの有無など4つの素材と質感の描き分けが効果的な作品は、残念ながらあまり多くありませんでした。

なお、この試験では立体や影の形状を「正確」に捉えることがすべての前提になります。この点は十分に留意してください。


以下、合格者の解答例です。







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◎[総合表現](2日目)

この試験は、与えられた素材(スポンジ、和紙、金属板)を触るなどして物性を観察し、それらを組み合わせた空間をイメージするもので、文章、描画に加えて、立体での表現を求めました。
本年度は、以下の点を特に評価しました。
 ① 素材に対する観察力・分析力
 ② 空間をイメージする構想力・創造力
 ③ 以上を的確に説明する表現力

①に関しては、3つすべての素材の性格を拾い上げていない解答が見受けられました。また、②③に関しては、文章や立体で表現された空間のイメージと、描画で表現された空間が全く異なるものであったり、関係が不明瞭なものがあったことも残念です。総合表現の試験では、与えられた素材に対する観察のみならず、それらを異なる表現方法でどのように、あるいは何を表現するか、互いに補完し合う一貫性のある表現になっているか、という点が重要であることをよく理解して試験に臨んで下さい。

以下、合格者の解答例です。





以上4点、解答例A
この解答例は、素材の透水性・光の透過性の違いが明確に表れるよう、3つの素材を層状に重ねた構成としています。暗く覆われた中に水面が残り、それらも内部空間を作り出す構成要素となり、これをうまく表現している点を評価しました。一方で、立体は内部を覗き込ませるものですが、低く作られているため、空間の魅力を表現する一助となり切っていないところが惜しまれます。







以上4点、解答例B
この解答例は、金属板の物性を活かし、全体を覆う強く大きな面が一部柔らかく垂れ下がり人に寄り添う、という一連の動きある形を、水の流れとともに作り出そうとしています。組み込まれたスポンジから滴る水分が時間の経過を感じさせることも評価できます。しかし、面材で構成された空間が1方向にのみ抜けたやや単調なものであること、また、和紙の物性の表現やその扱いが金属板と比べて弱いことは残念です。






以上4点、解答例C
この解答例は、スポンジを床に、金属板を壁に、和紙を屋根に、といった単調な役割分担をしており、発見された新たな物性を必ずしも活かしているとは言えません。また、垂直材によって箱状に閉じた空間も効果的であるとは言えず、対比的に広がり感じさせて欲しいとことでした。しかし、それぞれの素材を適材適所に用い、物性がより際立つよう、並べる・切り欠く・重ねるなどの操作を施し、それによって生まれる空間を限定的に、しかし豊かに表現しようとしたところを評価しました。

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関連:
令和2年度 東京藝術大学美術学部建築科 入学試験 参考作品
平成31年度 東京藝術大学美術学部建築科 入学試験 参考作品
平成30年度 東京藝術大学美術学部建築科 入学試験 参考作品
平成29年度 東京藝術大学美術学部建築科 入学試験 参考作品
平成28年度 東京藝術大学美術学部建築科 入学試験 参考作品
平成27年度 東京藝術大学美術学部建築科 入学試験 参考作品
平成26年度 東京藝術大学美術学部建築科 入学試験 参考作品
平成25年度 東京藝術大学美術学部建築科 入学試験 参考作品

News|2021年度 藝大建築科学部入試説明会

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News | 2021年度 藝大建築科学部入試説明会



下記の通り、入試説明会をオンラインで行います。


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日時:2021年5月30日(日) 11:00-11:45
方法:ウェビナーにて
※詳細はこちら
※事前に予約フォームからの申請が必要です。

内容:
1. 建築科について……ヨコミゾマコト 教授
2. 教育について………中山 英之 准教授
3. 学生生活と進路……樫村 芙美 准教授
4. 入試について………金田 充弘 教授
* 進行.........................藤村龍至 准教授

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その他、パンフレットや紹介動画についても順次更新を予定しています。


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